研究課題/領域番号 |
08770577
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大友 義之 順天堂大学, 医学部, 助手 (10245764)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | C-peptide / 近位尿細管 / Na^+,K^+-ATPase / Na^+,K^+-ポンプ / signaling pathways |
研究概要 |
40日令(成人)のSprauge-Dawleyの左腎をコラゲナーゼを含む緩衝液にて灌流した後、同腎臓より近位尿細管(PT)を顕微鏡下でmicrodissectし、γ-^<32>P-ATPの加水分解を利用して同尿細管の基底側膜に局在するNa-K-ATPase活性を測定した。 ラットC-peptideはこのNa-K-ATPaseの活性を容量依存性に亢進させ、half-maximal activationは5x10^<-7>Mの濃度でえられた。最近、alpha-adrenergic agonistやneuropeptide YがこのNa-K-ATPaseの活性を容量依存性に亢進させ、protein phosphatase 2Bがその細胞内伝達系にて重要な役割を果たしていると考えられる。C-peptideによるNa-K-ATPase活性の亢進作用はFK 506により阻害されたことより、C-peptideもalpha-adrenergic agonistやneuropeptide Yと同様のメカニズムでNa-K-ATPaseの活性を亢進させると考えられた。 同じラットよりPTの初代培養細胞を得て、その細胞内のカルシウム濃度をfura-2を用いて蛍光顕微鏡にて測定した。C-peptideの投与により、細胞内のカルシウム濃度の上昇が認められた。主に、L-typeのカルシウム・チャンネルより細胞外のカルシウムが流入することが示唆された。PTにおけるC-peptideのレセプターの検索を行ったが、明らかに出来なかった。しかし、C-peptideのPTにおけるNa-K-ATPaseに対する亢進作用は、PTに予めpertussis toxinを作用させておくと可逆的に阻害されることより、pertussis toxin感受性のレセプターがPTに存在しうると思われた。 以上より、C-peptideが腎尿細管においてナトリウム調節に関わるホルモンであることを初めて明らかにした。
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