研究課題/領域番号 |
08770581
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
浦島 充佳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80203602)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | pre-B細胞性白血病 / p16遺伝子 / p15遺伝子 / 細胞増殖抑制 |
研究概要 |
我々は小児白血病患者より細胞株(JKB)を樹立した。当初、bcl-2およびp53遺伝子を導入することにより、その影響を検討する予定であったが、bcl-2蛋白は高いレベルで表出されており、p53もwild typeおよびmutantの混在型でMDM2が強く発現されているため、bcl-2およびp53遺伝子を導入しても無効であることが予想され、実験の方向性を少し変更した。興味深いことに、この細胞株はimmunogulobulin heavy chain locusを含む14q32および癌抑制遺伝子であるp16およびp15 lociを含む9p21の間に染色体転座を示していた。そこでPCRによりp16およびp15 gene exon 2を検査したところhomozygous deletionsが確認され、Western blottingでもp16およびp15蛋白は検出されなかった。p16 and/or p15 gene deletionsが初診時リンパ系悪性腫瘍で高頻度で検出されることから、p16欠損が白血病の病因として非常に大きな役割を果たしている可能性が大きいと考えられる。しかしこの仮説は未だ明らかにはされていない。 そこで我々はレトロウイルスにp16遺伝子をクローニングし、JKBにおけるp16蛋白の強制発現を試みた。その結果強い細胞増殖抑制だけではなく、分化誘導傾向も認められた。このことはp16遺伝子が発癌に強く関与していることが示唆される一方で、完全な増殖抑制あるいはアポプトーシスが観察されなかったことを考慮するとその他の因子の関与も示唆された。現在p16とp15遺伝子のJKB細胞へのダブルクローニングを検討している。
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