研究概要 |
マウス腹腔培養マスト細胞とマスト細胞のcell lineであるMC/9を用いて、活性型ビタミンD3である1α,25-dihydroxyvitamin D3(calcitol)がマスト細胞増殖とヒスタミン放出に及ぼす影響について検討した。CalcitolはIL-3/IL-4依存性のマスト細胞増殖に影響を及ぼさなかった。しかし、SCF(stem cell factor)に依存したマスト細胞増殖およびコロニー形成を選択的に抑制した。免疫組織染色とイムノブロットによる検討では、calcitolはマスト細胞膜に発現している膜レセプターであるc-kitを蛋白レベル、メッセージレベルで発現を抑制した。 一方、マスト細胞の機能面に与える影響をみると、calcitolはカルシウムイオノフォア A23187で誘発されるヒスタミン放出は抑制したが、IgEレセプター刺激によるヒスタミン放出には影響を及ぼさなかった。
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