汎発性強皮症患者の病変皮膚より線維芽細胞を培養し、正常人皮膚由来培養線維芽細胞をコントロールとして、TIMP-1(Tissue Inhibitor of metalloproteinase-I)の蛋白、mRNAレベルの発現及び増殖刺激活性に及ぼす影響を観察した.結果、強皮症線維芽細胞はTIMP-1に対する増殖刺激反応が亢進しており、また無血清下の増殖刺激活性は、抗TIMP-1抗体によりブロックされた.強比症線維芽細胞自体のTIMP-1発現は蛋白、mRNAレベルで正常コントリ-ルより増強していた。TIMP-1の誘導物質として知られるTransforming growth factor-β(TGF-β)は正常線維芽細胞のTIMP-1産生を増強したが、すでに高レベルである強皮症線維芽細胞には影響を与えなかった.以上の結果より、TIMP-1が強皮症線維芽細胞のオートクリン物質として作用している可能性が考えられた。
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