強皮症の動物モデルの報告は少ない。われわれは、肺線維化をひきおこすブレオマイシンをマウスの皮下に繰り返し局注することにより、皮膚の硬化を誘導することをみいだした。本年度、この系を用い検討を加え以下の結論を得た。 #1 Balb/cマウスにおいてブレオマイシン皮下注4週目以降に組織学的な硬化が認められた。この硬化は、局注終了後無処置でも、以後6週目まで残存した。なお、C3Hマウスにおいてはより早期に硬化が誘導された。 #2 真皮肥満細胞数は3週目でピークとなったが、脱顆粒現象が先行してみられ、脱顆粒を示す肥満細胞数は2週目でピークを示した。 #3 mRNAレベルの検討ではTGF-βGA重要な役割をしていることが示唆された。 以上により、本年度の研究成果として、この系は強皮症の動物モデルとして有用であることが確認された。今後は治療薬の検討を行う予定である。
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