研究概要 |
1.原因薬剤の再投与により皮疹の出現を確認した薬疹確定例のリンパ球を原因薬剤とともに数日間培養し、抗原特異的増殖能及び培養上清中の各種サイトカイン値(IL-2,4,5,6,8,10,TNF-α,IFN-γ)を測定した。 抗原特異的増殖能の高いものではIL-2,IFN-γの産生が著明なものが多く、IL-4,5などの産生を認めるものではむしろ増殖能が高くないものが多かった。またTNF-α,IL-8の産生の著明なものが認められたが、リンパ球の抗原特異的増殖能との相関は認められなかった。 2.抗原特異的に活性化されたリンパ球のCLA,αEβ7の発現を培養開始前と比較したところ、臨床的に皮疹の著明なもの程、培養後の有意な発現の増強を認めた。 3.上記の結果と、内服テスト時の血清レベルのサイトカイン値を比較したところ、内服早期に血清中のTNF-α,IL-8,IL-6の上昇を認めた例では、in vitroの抗原特異的増殖能が高く、IFN-γ,IL-2産生の著明なものが多かった。
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