研究概要 |
神経線維腫症1型(NF1)の責任遺伝子、NF1遺伝子の構造や機能について解析が進んでおり、現在NF1遺伝子には60のエクソンが確認されている。我々もPCR-SSCP法,direct sequence法を用いてNF1遺伝子の変異の検出を試みているが、今回はプロモーター部位について検索したいと考える。現在、NF1遺伝子のopen reading flameの上流約900bpの塩基配列が明らかにされ、そこにはTATA boxやCCAAT boxは見つかっておらず、転写活性化機能に関する詳しい検索は未だなされていない。まず、CAT assay,gel sift assay等により転写活性化能を持つ部位を明らかにする。次いでNF1患者DNAからプロモーター部位の変異を検索する。 今回、我々はすでに20例のNF1患者について60エクソン全てのDNA変異の検索を行った結果、11例でdisease cousingと思われる変異を検出した。さらに、変異が検出されなかった残り9例を被験対象としてプロモーター部位の変異検索を行っている。すでに約900bpを3つの領域に分け、互いにオーバーラップするように三組のPCRプライマーを作成したので、これを使いPCR-SSCP法、size-shift assay,magnetic beadsを利用したdirect sequence法を用いて変異を検索している。
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