研究概要 |
目的:通常の扁平疣贅組織からはヒト乳頭腫ウイルス3型(HPV3)が多く認められる.研究の目的は,扁平疣贅患者におけるHPV3カプシド蛋白L1に対する抗体をELISA法で測定することで疾患との相関をみることである.今回は第一段階としてバキュロ発現系を利用して抗原として利用できるHPV3のウイルス様粒子を産生することを目的とする. 方法:まずバキュロウイルス発現系のベクターであるpVL1392のマルチクローニング部位にmajor capsld protelnをコードするL1のDNAをクローニングした.コトランスフェクション反応後プラークアッセイ法にて組換えAcHPV3L1をセレクトし,HPV3のL1カプシド蛋白をバキュロウイルス-昆虫細胞発現系で大量に発現させた.自律的にウイルス様粒子が形成される.塩化セシウム平衡遠心法で精製後,ネガティブ染色で電子顕微鏡にて観察する. 結論:ネガティブ染色でHPV5の場合と同様にウイルス粒子とそっくりな直径約56nmのウイルス様粒子が見られた.個々のカプソメアも観察できた.
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