研究課題/領域番号 |
08770718
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
遠山 典宏 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (60281060)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 小脳橋角槽 / 小脳橋角部 / 脳腫瘍 / 聴神経腫瘍 / アーチファクト / 磁気共鳴画像 / MRI / fast spin echo |
研究概要 |
(実験)予備実験として、2名の正常者の小脳橋角部を2次元cine phase contrast法で撮像し、流れの方向とその速さについて計測した。また同時に2次元フーリエ変換法(2DFT)のFSEによって、同レベルの横断像を撮像した。使用装置はGeneral Electric社製Signa Horizon 1.5Tで、standard head coilを使用した。その結果、内耳道レベルの脳槽ではprepontine cisternが最も上下に流速が速く、最大速度は40cm/s、平均流速は5-15cm/sに達していた。小脳橋角槽その他の部位では、流速は概ね5cm/s以下とあまり速くないが、乱流を生ずる傾向が観察された。次に、小脳橋角槽に擬したアクリル製ファントームを作成し、CSFスペースを脳脊髄液のかわりに水道水が拍動(to and fro)しつつ流れる状態を、自作の拍動水流ポンプと定常水流ポンプを組み合わせて作成した。ファントームをマグネット内に置き、疑似心電図発生装置と拍動周期を同期させつつ、2次元cine phase contrast法で撮像を行い、水流を調節しつつ予備実験で得られた正常者に近い状態を再現した。このファントームを利用して、gradient moment nullingや心電図gate下に撮像を行い、アーチファクトの出現様式を検討した。(結果)1)アクリル製ファントームと水流ポンプの組み合わせによって、CSFが拍動流となるような小脳橋角部の脳槽モデルを作成することができた。2)ファントームでも、最も流速の速かったのはprepontine cisternの部分であった。小脳橋角槽では乱流が観察された。3)3次元フーリエ変換法(3DFT)によるFSEを用いると、2DFT FSEと比較して、脳脊髄液の拍動によるアーチファクトは減少した。しかし、流速の速いprepontine cisternの部分ではsignal voidが観察された。4)2DFT FSEではgradient moment nullingを併用しても、あまりCSFのアーチファクト減少に寄与しなかった。 (今後の課題)(今度小脳橋角部ファントームを利用して以下の検討を行って行く)1)3 DFT FSEがCSFの拍動流によるアーチファクトに比較的強く、スライス選択方向の空間分解能も良好である。2)3DFT法にgradient moment nullingの併用を試みたい。3)3軸方向にgradient moment nullingがかかるようなapplicationを開発する。4 gradient moment nullingによる拍動のアーチファクト除去に関しては、2次、3次項の補正に工夫が必要と思われる。
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