研究概要 |
1,2.0mL/kgのCC14を腹腔内に注入し重度の肝障害を起こしたラット群、0.5mL/kgのCC14-0.25で軽度の肝障害を起こしたラット群、2mL/kgの生食を注入したコントロール群と、異なる程度の肝障害を起こさせた3群のラットをつくり、それぞれにGd-EOB-DTPA0.03mmol/kgを静注し、肝のMRIにおける造影能を比較した。造影能は肝の障害の程度が強いほど低下し、造影剤の排泄時間は障害の程度が強いほど遅延した。また、肝障害の程度による造影能や排泄能の変化は、ICG testやプロトロンビン時間のデータと相関しており、Gd-EOBーDTPAの造影能から肝機能が推測できることが明らかとなった。 2,肝左門脈枝のみを外科的に30分間、90分間結紮した群と、コントロールとして開腹術のみを行ったラットにGd-EOB-DTPA,0.05mmol/kg静注して、肝のMRIにおける造影能を比較したところ、90分結紮群の肝左葉に比して30分結紮群およびコントロール群の左葉造影能は有意に低下し、造影剤排泄時間は有意に遅延した。一方、門脈結紮を行わなかった右葉は正常の造影能を示し、Gd-EOBーDTPAの造影能から部分肝機能が推測できることが明かとなった。 3.以上の画像をコンピューターに取り込み、三次元画像用ソフトにて肝全体をトレースし、肝の三次元画像が作成できた。閾値設定で造影能を分離することによって、三次元的に障害肝部分と正常肝部分の表示を行うには、コントラストが不十分であったが、用手的には可能であった。ハード、ソフトの改良によって、閾値設定で分離可能にする予定である。
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