1、RFによる生体肝組織の加温状態の検討 家兎肝臓を電極針で穿刺し、RF出力11Wで120秒間加温。穿刺部より3、5、7.5、10m離れた部位で420秒間温度を測定。【結果】穿刺部から3mm離れた部位では加温直後より温度は上昇し、30秒で52.5℃と最高温度に達した.5mm離れた部位でも同様に40秒で46.1℃と最高温度に達した。7.5、10m離れた部位での温度上昇は僅かであった。 2、熱擬固療法後の正常肝組織の経時的変化の検討 家兎の肝臓を穿刺し熱凝固を施行。通電直後、1週間後、4週間後に屠殺解剖し、肝組織を病理学的に観察した。 【結果】通電直後の場合、直径4.7mm、長さ12.1mmの楕円体の範囲に核濃縮、うっ血を認めた。1週間後の湯合、中心部に凝固壊死、周辺部に間質の線維化を認めた。4週間後の場合、完全な凝固壊死と強い線維化を認めた。 3、家兎移植肝VX2腫瘍に対する熱凝固療法の効果の検討 家兎移植肝VX2腫瘍6病変に対し熱凝固を施行。1週間後(n=2)、2週間後(n=2)、4週間後(n=2)に屠殺解剖し、肝組織を病理学的に観察し熱凝固療法の効果を検討した。【結果】1週間後では、中心部に腫瘍細胞の破壊と凝固壊死、その周囲に結合織の増生を認めた。また、結合織内に僅かな腫瘍細胞の残存を認めた。2週間後では凝固部分の内部と辺縁に腫瘍再発を認めた。4週間後では明かな腫瘍再発を認めた。 4、広範囲を熱擬固させる電極針の開発 コーン状電極針を作成し、家兎正常肝に対し熱凝固を施行。凝固体積を計測した.【結果】RF出力34W通電時間60秒の場合2211mm^3の体積が凝固可能であった。これは針状電極を用いた場合の10倍の凝固体積であった。
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