SN-38長時間低濃度曝射における放射線との相互殺細胞効果に関して、腫瘍および急性反応正常組織の細胞を対象とする実験としてChinese hamstar V79 cellを用いて行った。 ヒトにおける、塩酸イリノテカン100mg点滴静注直後から72時間後までのSN-38の血中濃度である0.05μg/ml、0.02μg/ml、0.005μg/ml、0.002μg/mlの濃度で、実験を行った。SN-38の濃度-反応曲線は下に凸を、作用時間-反応曲線は、3相性を示した。この結果は、先の高濃度を中心に行った実験結果と一致した。これらの結果から実験は、0.02μg/ml、8時間曝射の条件で行うことにした。 放射線とのSequential treatmentで薬剤曝射すると、薬剤曝射開始直後から曝射8時間後まで等しく強い殺細胞効果を認めた。 この結果から、薬剤曝射4時間後に放射線照射を行うタイミングでGraded doseの照射を行った。nは、4.6→2.1、D0は、2.8→2.0と変化した。 以上から、0.02ug/m、8時間曝射という長時間低濃度曝射においても相補的な殺細胞効果がありかつ、その併用タイミングは曝射いずれでも同じであった。このことは、臨床において、塩酸イリノテカンと放射線照射を併用する上で重要な知見と思われる。 今後、放射線とのSequential treatmentにおける細胞動態をの確認と晩期反応組織での相互殺細胞効果をHella細胞を用いて行う予定である。
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