研究課題/領域番号 |
08770802
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 広島県立保健福祉短期大学 |
研究代表者 |
長田 昌士 広島県立保健福祉短期大学, 作業療法学科, 講師 (50233507)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | パニックディスオーダー / 事象関連電位 / P300 / ASFslope / alprazolam |
研究概要 |
パニックディスオーダー(PD)患者の認知機能の薬物療法による変化を調べる目的で、治療前後で聴覚事象関連電位のP300成分の測定と、中枢セロトニン系の機能状態の指標として電位/刺激強度機能勾配(ASF slope)と血中モノアミン代謝産物(5HIAA)の測定をしを検討した。対象はDSM-IVのPD患者で、十分な説明を行い書面で同意の得られた24例で、対照群は健康成人18例。方法:治療前未服薬時とalprazolam投与4〜6週間後の発作改善時の2時点で検査した。P300測定は、75dB、2KHz(標的)及び1KHz(非標的)tone burstを2:8の頻度で呈示し、標的刺激計数のoddball課題とし、Pz導出波形を30回加算平均。4種類の音圧の異なる純音を用いASFslopを測定算出。5-HIAA濃度は検査前に採血した検体をPHLCで測定。結果:1)P300潜時:治療前は対照群よりも延長。改善時は短縮し、対照群との差は消失。2)P300電位:治療前は対照群よりも有意に低下、改善時はさらに低下し、対照群との差が広がる。3)ASFslope:治療前は対照群より高値、改善時は差が消失。4)5-HIAA濃度:治療前は対照群より低値、改善時は差が消失。考察:これまで我々は、未治療のPD患者はP300潜時延長と電位低下がみられ、刺激評価時間の延長と、知覚に配分可能な心的資源の量の減少の可能性を報告してきた。今回の結果では、alprazolam服用による発作改善にともないP300潜時の延長の改善と、電位の一層の減少が認められ、これらは刺激評価時間の改善が認められた一方で、知覚に配分可能な心的資源の量がさらに減少していることを示唆するものと考えた。こ変化は、中枢セロトニン機能にも反映されると考え、ASFslope、血中5-HIAAを測定したが治療によるP300成分の変化を十分説明できる結果は得られなかった。
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