研究課題/領域番号 |
08770815
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
西尾 善彦 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40281084)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 糖尿病 / 心臓 / 酸化ストレス / 遺伝子発現 / 転写因子 / 抗酸化酵素 / ヘムオキシゲナーゼ-1 / NF-kB |
研究概要 |
ストレプトゾトシン糖尿病ラット心血管組織を用いて、酸化ストレス関連遺伝子発現異常を検討した。酸化ストレスの指標と考えられる過酸化脂質含量は糖尿病ラット心血管組織で有意に増加を示した。酸化ストレス反応し、転写因子NF-kBにより発現調節を受けていることの知られている、ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)mRNA発現量は4週糖尿病ラット心臓で4.2倍(P<0.01)、大動脈で1.6倍(P<0.05)に増加し、24週ではそれぞれ3.1倍(P<0.01)、2.1倍(P<0.01)に増加していた。これらのHO-1mRNAの増加はインスリン治療により抑制され、糖尿病による変化と考えられた。同様の増加はカタラーゼmRNA量及び活性値にも認められたが、他の抗酸化酵素SOD,グルタチオンペルオキシゲナーゼmRNA量には変化を認められなかった。更に、細胞内酸化-還元状態に反応して活性化することの知られる転写因子NF-kB、AP-1活性をラット心臓より抽出した核蛋白を用いて、ゲルシフト解析を行ない検討した。NF-kB、AP-1活性は共に糖尿病ラットで増加し、インスリン治療で正常化した。次に、以上のような糖尿病で認めらる酸化ストレス関連遺伝子発現異常が、抗酸化剤により治療し得るかを検討した。1%プロブコール含有飼料にて4週間治療した糖尿病ラットでは、心臓におけるHO-1mRNA発現、転写因子NF-kB活性の増加が有意に抑制された。以上により、糖尿病の心血管組織では酸化ストレス亢進状態にあり、転写因子NF-kB、AP-1を介した遺伝子発現異常が生じていると考えられた。
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