研究課題/領域番号 |
08770856
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
和泉 透 自治医科大学, 医学部, 助手 (60254918)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Erythropoietin / Interleukin-6 / Hep3B |
研究概要 |
本年度はinterleukin-6(IL-6)によるEpo遺伝子発現調節について解析を進めた。低酸素刺激下でのHep3B細胞によるEpo蛋白産生及びmRNA発現は12時間後にpeakとなるが、IL-6刺激では24時間後まで時間依存性に増加した。ゲルシフト法によりHep3B細胞にはNFIL-6結合配列(TTGCGGAAC)に特異的に結合する転写因子の存在を確認したが、この発現は対照・低酸素刺激・IL-6添加時において明らかな変化を認めなかった。またfura-2を用いて測定した[Ca^<2+>]iはIL-6添加後も上昇を認めなかった。以上より、IL-6で誘導されるEpo産生系のシグナル伝達機構は酸素センサーを介さない可能性が示唆された。 生体内におけるIL-6のEpo産生調節への関与を決定するために、血液疾患患者の血清中のEpo及びIL-6を測定し、両者の関係について検討した。対象は血液疾患の患者35例(悪性リンパ腫16例、多発性骨髄腫5例、急性リンパ性白血病11例、その他4例)で、IL-6高値群(IL-6>7.5ng/ml)及び低値群(IL-6≦7.5ng/ml)の血色素量(Hb)及びEpo濃度の平均値はそれぞれ9.67g/dl、2.21mU/ml、10.66g/dl、1.764mU/mlであった。Epo濃度の対数(logEpo)の回帰式はlogEpo=3.385-0.126×Hb(IL-6高値群)、logEpo=3.303-0.144×Hb(IL-6低値群)であった。Epo濃度についてはIL-6高値群と低値群で有意差を認めた(p=0.026)が、血色素量では有意差を認めなかった(p=0.29)。以上より、IL-6はin vitro及びin vivoにおいてEpo産生調節に関与していると考えられた。
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