研究課題/領域番号 |
08770906
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
日下 隆 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50274288)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Near infrared spectroscopy / ICG / cerebral blood flow / Hypearcapnea / Hypocapnea / Hypotention / piglet |
研究概要 |
1.目的:ICGは近赤外部に特異的な吸収を持つため、ICG投与後に脳組織におけるスペクトルの経時的変化を測定することにより、様々な状態における脳血流(CBF)の変化を捕えることが可能となる。この方法は、^<133>Xe clearance法等のradioactive materialを必要としないために、ベットサイドにおける簡便なCBF測定法として臨床応用が期待される。今回は基礎的検討として、硬膜上より測定を行った。 2.対象及び方法:対象は生後24時間以内の新生子豚。左鎖骨下動脈よりカテーテルを左室内に留置し人工換気を行ない、過換気、低換気の状態と、脱血による低血圧状態におけるCBFを測定した。CBF測定には大塚電子社製IMUC-7000を使用し、右頭頂部の頭蓋骨を除去し硬膜上に光源と受光部のプローベを設置した。そしてICG 0.25mg/Kgを左室内および末梢静脈内投与し、この後0.2秒おきに脳組織のスペクトルを記録し、スペクトルの拡散補正、多成分解析を行い、ICGの増加減衰曲線からfirst order kineticsのone compartment modelにて解析を行ない、増加相と減少相の速度定数を算出し、正常時との比較検討を行った。 結果及び考察:(1)左室内投与では、過換気時には正常時と比較し両速度定数の低下を認め、低CO2血症での動脈の収縮によるCBF低下が考えられた。(2)低換気時は増加相の増加と減少相の低下を認め、高CO2血症による動脈の拡張と静脈相の鬱血が考えられた。(3)脱血による低血圧状態では、両速度定数の低下を認めた。(4)末梢静脈内投与においても同様な傾向を認めた。(5)以上の結果から、増加相と減少相はそれぞれ主に動脈相と静脈相を示すと考えられ、ICGを用いた本測定法によるCBFの相対的測定の可能性が実証された。
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