研究課題/領域番号 |
08770916
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
袴田 健一 弘前大学, 医学部, 助手 (30271802)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Liver transplantation / Living donor / Fatty liver / Microcirculation |
研究概要 |
脂肪肝温阻血再灌流障害の病態を明らかにすることを目的として実験を行った。 1コリン欠乏食による脂肪肝モデルの作製 SDラットにコリン欠乏食を7-42日間投与して脂肪肝モデルを作製し、肝凍結乾燥標本中脂質抽出検体について、酵素法による脂肪分画測定ならびにガスクロマトグラフィー法による全脂質脂肪酸分画測定を行った。一方、これらの肝組織をHE染色し、脂肪肝程度の評価を行った。 肝中性脂肪分画は次第に増加し、14日以降定常状態となった。リン脂質およびコレステロール分画には変化は見られなかった。また増加する脂肪酸分画はパルミチン酸とオレイン酸であり、ヒトと同様であった。形態学的観察は顕微鏡像をテレビカメラシステムからPower Macintosh 7100/80AVに取込み脂肪肝保有肝細胞比率を測定したところ、コリン欠乏食投与21日間で75.9±5.3%であった。 2脂肪肝に対する温阻血再灌流障害の病態に関する実験 1で作製した脂肪肝モデルに肝部分温阻血操作を加え、再灌流後の肝類洞血流像を顕微鏡下にテレビカメラに取込み、肝類洞微小循環を評価した。脂肪肝ではすでに類洞が狭小化し、その幅は正常の約1/2であった。温阻血後の観察では、30分、60分温阻血後血流再開と共に血球成分の狭小化した類洞への接着ならびに類洞内血栓形成が観察された。温阻血再灌流操作前後の血液凝固能検査では消費性凝固障害を呈しており、形態学的観察を裏付けた。これらにprostaglandin E1等を投与したところ微小循環の改善が確認された。 3脂肪肝モデルを用いた肝移植実験 1で作製した脂肪肝モデルを用いて同所性肝移植をおこなったところ、生存群では微小循環障害の程度が軽度であった。 以上の研究成果は現在2篇の論文にまとめ投稿中である。
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