研究課題/領域番号 |
08770937
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
竹島 薫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50236460)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 食道癌 / cytokeratin19 / 末梢血中癌細胞 / mRNA / RT-PCR |
研究概要 |
上皮細胞に特異的な細胞内骨格であるcytokeratin19(CK19)mRUAに対するRT-PCR法を用いて血中食道癌細胞を鋭敏に同定する方法を開発し、血中食道癌細胞の存在とその臨床腫瘍学的特性との相関を検討した。1994年12月より1996年1月まで教室にて食道扁平上皮癌と診断された26縮症例を対象とした。CK19遺伝子構造から2組のprimer pairをDNA合成機にて合成し、末消血より遊廓細胞を分離しAGPC法、逆転写反応にてcDNAを作製した。基礎的検討としてヒト食道癌細胞株5株と、9名の健康成人末消血を用い、検出感度の検討にはTE8を正常末消血に混入した希釈系列を用いた。TNM分類はCT,EUSなどの画像診断法により決定し、血中食道癌細胞の存在とTNM分類との相関を検討した。本法の検出感度は血中有核細胞10^6個当たり食道癌細胞25個であり、健康成人末消血ではCK19mRNAは検出されなかった。全26症例中16例が評価可能であり、全16症例中CK19mRNA発現率はT2以下で22%、T3以上で71%で認め、発現率に有意の差を認めた。また、TNM分類でもその発現率はStageII B以下で20%、StageIIIいじょうで83%であり、発現率に有意差を認めた。StageII B以下の10例虫再発を来した1例およびStageIII以上の6症例中臓器転移を認めた2例はCK19mRNAが陽性であった。方法により食道癌患者末消血中に癌細胞が存在し、これらが腫瘍マーカーとして利用できることが示唆され、方法を利用すればsystemic diseaseとしての食道癌の悪性度をsubclinical stageで高感度診断できるし考えられた。
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