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高アンモニア血症における急性胃粘膜病変とNOによる保護効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08771004
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 消化器外科学
研究機関関西医科大学

研究代表者

松原 峰生  関西医科大学, 医学部, 助手 (70268366)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードストレス潰瘍 / 高アンモニア血症 / アルギニン / NO / 肝硬変 / 胃粘膜血流
研究概要

ラットに臨床で認められる高アンモニア血症と同程度の血中濃度となるようなアンモニアを投与した後に、水浸拘束ストレスにて潰瘍を発生させたところ、アンモニア非投与群に比較して有意に潰瘍形成が抑制された。その原因を検索したところ、アンモニアがオルニチン回路で代謝される際に産生されるアルギニンがNOの基質となり、NOがより産生され、そのNOが胃粘膜血流を改善することにより潰瘍発生が防止されることが判明した。しかし、この実験では正常な生体にアンモニアを投与した非生理的条件による高アンモニア血症であるため、ラットにthioacetamideを投与して肝硬変を作成し、肝硬変ラットと同様にしてアンモニアを投与して検討したところ、潰瘍発生は抑制できなかった。すなわち、その原因としては肝硬変によるオルニチン回路の代謝回転の低下がアルギニン産生を低下させ、そのことが原因となってNO産生が低下し、潰瘍発生を抑制できなかったものと推察された。
そこで、オルニチン回路が真に重要な役割を担っているのか否かを検討するため、肝硬変ラットにNO合成物質であるSNAP100mg/dayを体内詰め込み型ミニモンプで持続投与して、NOを持続的に産生させつつ水浸拘束による潰瘍発生について検討したところ、肝硬変ラットにおいてもSNAP投与により潰瘍発生が有意に抑制された。その際に測定した胃粘膜血流はNO産生により有意に抑制されていた。しかも、胃粘膜内ATP量、energy chargeはSNAP非投与群に比較して有意に高かった。
以上のことより、高アンモニア血症ではNOによる胃粘膜血流の改善、粘膜内エネルギー保持を介してストレス潰瘍発生を防止するが、オルニチン回路が著明に抑制されているような肝硬変ではいくら血中アンモニア濃度が高かったとしても、ストレス潰瘍発生防止にはつながらないことが判明した。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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