ブタ(7頭:16-26kg)を用いて全身麻酔下に実験を施行。YAGレーザー透過性バルーン、気管支鏡(直径4mm)、細径Nd:YAGレーザー鉗子(直径0.6mm)を用い、拍動下にブタの肺動脈弁を照射した。内頚静脈または大腿動脈よりバルーン付き血管内視鏡を挿入し、透視下に右房へと進める。血管内視鏡は気管支鏡先端にレーザー透過性バルーンを装着したものを用いる。右房内でバルーンに空気を送り、肺動脈弁下部へと進める。そこで、バルーン内を生食水で満たし、肺動脈弁交連部に押し付け、その観察を行う。肺動脈に同軸に内視鏡を固定し、鉗子孔より細径レーザー鉗子を挿入し、肺動脈弁交連部に対してレーザー照射を施行した。出力設定15-30wattで0.5-1.0秒間の照射を反復して施行した。実験終了後、ブタを解剖し、照射部位を病理組織学的に検索した。摘出標本にて全例に肺動脈交連部の組織欠損を伴う熱変性を確認し得た。実験結果より、血管内視鏡下に肺動脈弁狭窄症、僧帽弁狭窄症や大動脈弁狭窄症に対しての臨床応用の可能性が示唆された。
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