近年、定位的手法を用いて病巣に原局した一回大量照射を行うradiosurgeryが脳神経外科領域で急速に普及し、現在までの臨床研究により、細胞が壊死に陥らない比較的低線量の照射でもradiosurgery後に高率に症候性てんかんが軽快あるいは消失し、器質性病変周囲のneuronのてんかん原性自体が治療的効果を受ける事が確認されている。本研究は、一回大量照射後の神経細胞の生理学的変化を部分てんかんのモデルとしてラット扁桃核キンドリングモデルを用いて観察する事を目的に開始された。体重270-300gの雄SDラット扁桃核正中核に、刺激および脳波記録用電極をラット脳図譜に従って定位的に埋め込み、後ろ発射のでる最低電流で60Hz1秒間の刺激を1日1回毎日行なったが、安定して全身痙攣が誘発されたのは比較的少数のラットにとどまった。また、同側、および対側の側頭葉に4mm collimatorを用いて10、20、30、50、70Gyのガンマナイフ照射を行った後に、後発射、発作のstage、発作誘発電流を核線量ごとに経時的に検討する予定であったが、この間に高率に電極の固定性に問題が生じて、発作を誘発する刺激閾値の上昇が確認される照射線量域を確認する事はできなかった。現在、よりシンプルなてんかんモデルとして、ELマウスならびにNoda epileptic ratを用いて実験を継続し、発作頻度を減少させうる放射線量を測定中である
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