研究課題/領域番号 |
08771069
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
植田 敏浩 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (10274317)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 急性期脳梗塞 / 線溶療法 / 経皮的血管拡張術 / 低脳温療法 / 再潅流傷害 |
研究概要 |
当施設では、1989年以来急性期脳梗塞に対して、脳血管内手術手技を応用した線溶療法を施行し、虚血再潅流によって発生する組織障害について研究を行ってきた。今回申請した研究は、第1にできるだけ早く確実な再開通が得られ、線溶剤の投与も最小限に抑える手段として、閉塞血管を直接バルーンカテーテルにて拡張させるdirectPTA(percutaneous transluminal angioplasty)法の開発であり、第2に再潅流が得られた脳の低温管理による脳保護療法の安全性と有用性の検討であった。 本年度は、本療法の適応とされた症例は4例であった。そのうち、脳底動脈閉塞症の1例においては、directPTAによって速やかに再開通が得られたが、脳幹部に出血性梗塞を来たしたため、低脳温療法は適応外とされた。中大脳動脈閉塞症の3例中2例は、少量の線溶剤の投与によって再開通が得られたためPTAは施行されず、また神経症状も回復したため、低脳温療法の適応とはならなかった。中大脳動脈閉塞症の1例では、再開通は得られなかった。 これまでに20例の症例に対してdirectPTAを施行してきたが、線溶剤の投与量を抑え、再開通率を高めおよび術後の再閉塞を予防するのに極めて有用であった。しかし、再潅流後の組織障害(出血性合併症、脳浮腫)の問題については未だ解決されていない。そこで当施設では、すでに有用性の報告が散見される重症頭部外傷に対する低脳温療法を施行し、また動物実験による急性期脳梗塞に対する低脳温療法の基礎研究を進めながら、今後さらに低脳温療法の臨床応用についての研究を継続する予定である。
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