【肺血管反応性にたいするPTK系の影響】 ラット摘出肺動脈セグメントの各種血管収縮薬への反応におよぼす蛋白チロシンキナーゼ阻害薬(PTK 阻害薬)の影響を検討した。PTK阻害薬のうちtyrphostin、genisteinはphenylephrine、endothelin‐1による収縮を有意に抑制したが、その効果はわずかなものであった。このことからα-adrenergicおよびET-A受容体を介する血管平滑筋収縮の過程にPTK系が関与することが示唆されたが、その役割は重要ではないと考えられた。 【肺血管リモデリングの機序とPTK系】肺血管タモデリングのモデルとして、moncrotaline皮下投与による肺高血圧モデルにおいて、PTK阻害薬がその発症を修飾しうるか現在検討中であるが、preliminaryなデータでは影響は大きくないようである。今後、PTK阻害薬の種類、投与量を変更して検討していく予定である。また、低酸素暴露による肺高血圧モデルにおいても同様に検討する。
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