研究課題/領域番号 |
08771175
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
市川 敬太 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60212990)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | プロスタサイクリン(PGI_2) / 吸入療法 / ネブライザー / 片肺換気 / 肺酸素化能 / 麻酔管理 |
研究概要 |
片肺換気法は開胸手術の術野条件を良好に保つ手段として有用である。しかし片肺換気中の肺酸素化能を適正に保つのは困難で、動脈血中酸素分圧が危険なレベルに低下することがしばしばある。これまでに様々な方法でこの時の肺酸素化能を適正に保つ工夫が提唱されたが、いずれも手技の困難さや効果の不確実性のため広く用いられていない。 本研究ではプロスタサイクリン(PGI_2)の血管拡張作用の発現と持続時間、その吸入の容易さに着目し、PGI_2吸入が分離換気中の肺酸素化能を改善することを検証した。 「方法」 全身麻酔下の犬10頭に分離換気用ダブルルーメンチューブを経口的に挿管し、左肺のみを人工呼吸した。この状態でPGI_2を1ng/kg/minまたは20ng/kg/minの速度で、超音波ネブライザーで吸入させた。 この間、動脈、肺動脈、中心静脈圧、心拍出量、動脈血酸素・二酸化炭素分圧を測定した。 「結果」 PGI_220ng/kg/min投与においてPaO_2は分離換気中⇒PGI_2投与中⇒PGI_2投与中止において122± 60MmHg⇒145±83mmHgと変化した。すなわち、PGI_2投与中にPaO_2の有意な上昇が見られ、投与中止とともに低下した。1ng/kg/min投与では、107±72mmHg⇒106±81mmHg⇒113±87mmHgとPaO_2の有意の変化は見られなかった。血行動態およびPaO_2に有意の変化は見られなかった。 「結論」 PGI_220ng/kg/min吸入によって、分離換気中の肺酸素化能が有意に改善することが動物モデルによって示された。
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