研究課題/領域番号 |
08771189
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷上 博信 大阪大学, 医学部, 助手 (10263253)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 循環血液量 / 心拍出量 / 脈波分光法 / インドシアニングリーン |
研究概要 |
[目的・方法]脈波分光法は、パルスオキシメトリーの原理として幅広く臨床で利用されている。本法を用いたインドシアニングリーン(ICG)濃度の非侵襲的連続測定により、循環血液量、心拍出量、肝機能(異物排泄能)の同時測定が可能である。 ICGによる循環血液量測定の前提条件としては、ICGが強固にタンパク結合すること、またone-compartmentモデルにしたがって血中より消失されることがあげられている。本研究では、まず基礎的研究として、ICGのタンパク結合性を限外ろ過法を用いて実測し、循環血液量測定値との関係を明らかにした。さらに通常の瞬時投与と同時に瞬時・持続投与の併用によるone-compartmentモデルの妥当性を評価した。 次に臨床的研究として、従来解剖学的・生理的特徴から、十分な循環機能評価が困難であった乳幼児について、脈波分光法による非侵襲的な循環血液量・心拍出量測定が測定精度・簡便性の点で、臨床使用に耐えうるかどうかを評価した。 [結果・考察]ICGのタンパク結合度は従来の報告と異なり、個人差が大きかったが、結合度の多少は循環血液量の測定結果に影響しなかった。このことからフリーの血中ICGが、おそらくは比較的大きな分子量のために、投与後数分間の短時間においては殆ど血中に留まっていることが示唆された。瞬時投与、瞬時・持続併用投与法の比較で両者の測定結果が一致したことから、血中ICGはone-compartmentモデルに従い、ベッドサイドの測定においては簡便な一回瞬時投与で循環血液量が測定できることが明らかとなった。乳幼児での使用により、脈波分光法で、十分な妥当性を持って循環機能が評価できることが明らかとなった。
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