研究課題/領域番号 |
08771437
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
余田 敬子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70240364)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 扁桃炎 / 臨床所見 / 生検 / 免疫組織化学 / in situ hybridization / PCR / 単純ヘルペスウイルス / EBウイルス |
研究概要 |
平成2年4月から9年1月の間、診療現場にてその臨床経過や局所所見よりウイルス性急性扁桃炎または急性咽喉頭炎を疑った患者のうち、扁桃組織生検を施行し得た40症例を対象にウイルス学的検索を行った。各々の症例から炎症急性期に扁桃ないし口腔咽頭粘膜および末梢血単核球を採取し、同時に口腔咽頭や扁桃局所さらにその他の全身の病的所見を観察し写真などで記録した。 凍結保存およびホルマリン固定した生検組織各々と末梢血単核球からDNAを抽出し、PCR法にてウイルス核酸の検索を行った。ホルマリン固定標本からは病理組織学的変化を観察し、免疫組織化学にて単純ヘルペスウイルスおよび水痘帯状疱疹ウイルス抗原の検出を試みた。またEBウイルス感染症の疑われた症例にはin situ hybridizationを行い炎症局所からのEBウイルス検出を試みた。 対象40症例中単純ヘルペスウイルスを4例に、EBウイルスは21例に検出された。単純ヘルペスウイルス感染例は初診時扁桃炎と同様に口唇疱疹、歯肉炎または口腔粘膜のアフタ形成を全例に認めており、うち2例は病歴およびよ身体所見より性感染症の一病態としての急性扁桃炎が示唆された。EBウイルスが検出された症例の扁桃の所見は、一見細菌感染による急性扁桃炎を疑うような白苔を認め、頸部リンパ節腫脹が高度な例、全身に発疹を伴う例など臨床所見は様々であった。また実験結果より複数のウイルスが病態に関与していることが示唆される症例も認められ、さらに検討中である。
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