内因性ペプチド、内因性酵素の影響を考えずに外因性のBKの鼻内投与を行ない鼻粘膜血管透過性亢進の指標である鼻汁中のアルブミン、腺分泌亢進の指標である鼻汁中のリゾチームを測定した。BKは鼻汁中のアルブミンを増加させたが、その蛋白中の割合としてはリゾチームを増加させなかった。またこの反応は正常人よりアレルギー性鼻炎患者に顕著であった。これによりアレルギー性鼻炎患者ではBKに対する血管透過性が正常人より昂進していることが判明した。さらにACE阻害剤、NEP阻害剤の点鼻による前処置を行ない内因性の酵素を阻害し、BK誘発を行なった。誘発前の鼻汁は酵素の阻害をしたため、NEP、ACE阻害剤処置でもアルブミンが増加していた。リゾチームは増加しなかった。BK誘発後は前処置なしの場合よりもさらに鼻汁中のアルブミン値が増加していた。この傾向はACE阻害剤前処置の方がNEP阻害剤前処置より顕著であった。
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