研究概要 |
CDDP耐性細胞であるKBrc細胞はKB細胞と比較してTopoisomerase I型阻害剤のCPT-11およびその活性型であるSN-38、Topoisomerase II型阻害剤 VP-16に対して交差耐性を示した。細胞周期の検討からKBrc細胞とKB細胞では異なった細胞周期への集積が観察された。つまりこれらの薬剤を接触させた際のcell cycleはKB細胞ではS,G_2M期に集積し、KBrc細胞はcontrol群とほぼ同様の周期を示した。さらにKB細胞ではG1 peakよりも左側のpreG1 peakがVP16を投与した際に観察された。Agarose gel electrophoresisでもDNA fragmen tationがKB細胞に対してVP16を接触させた際に確認された。一方KBrc細胞ではVP-16を接触させた際DNA fragmentationは認められなかった。つまりTopoisomerase阻害剤の作用機序がapoptosisを引き起こす機序を有していると同時にKBrc細胞の耐性機序の一つとしてapoptosis経路の関与が推察された。
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