1、NO合成酵素阻害薬Nω-nitro-L-arginine methyl ester(L-NAME)100mg/kgを白色家兎に静注しても眼圧は有意の変化を示さなかった。 2、L-NAMEの各濃度溶液(1、10、30、100mg/kg)またはその対照液の静注30分後、家兎の一眼にQ-switched Nd : YAGレーザー照射(48mJ)を行った。対照液を投与した家兎では、レーザー照射直後に著明な眼圧上昇(0.5時間後、8.6±3.9mmHg、平均値±標準偏差)を認めた。1mg/kgのL-NAMEを静注した家兎では、有意な眼圧上昇(0.5時間後)を認めたが、その上昇幅は5.6±2.7mmHgにとどまった。10及び30mg/kgを静注した家兎では、有意な眼圧上昇を認めなかったが、その中の一部に眼圧上昇を認めた家兎が存在した。100mg/kgを静注した家兎では、一匹も眼圧上昇を認めなかった。L-NAMEの投与量とレーザー照射後の眼圧上昇の抑制効果との間に濃度依存性を認めた。 3、レーザー照射後の房水中のタンパク濃度の上昇は、L-NAMEにより有意に抑制された(0.5時間後、対照液を投与した家兎638.3±259.4mg/dlに対し、L-NAME100mg/kgを投与した家兎214.4±81.0mg/dl p<0.01)。レーザー照射後の房水中のプロスタグランジンE2濃度の上昇は、L-NAMEにより抑制されなかった(0.5時間後、対照液を投与した家兎10840±1566pg/mlに対し、L-NAME100mg/kgを投与した家兎14300±5239pg/ml)。 以上より、レーザー照射後の眼圧及び炎症反応へのNOの関与が示唆された。
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