家兎硝子体内に空気、眼内膨張ガス、生理食塩水、ヒアルロニダーゼを注入してその後の硝子体の変化を、フォトスリットランプ、走査型レーザー検眼鏡(SLO)にて観察、記録した。 有色家兎眼の硝子体腔内に空気、sulfur hexafluoride (SF6)、perfluoropropane(C3F8)、生理食塩水、ヒアルロニダーゼを各々0.2ml注入し、注入前、注入後1日、4日、7日、14日にその硝子体の変化を観察、記録した。硝子体内注入については、ストッパー付き30G針にて角膜輸部後方2mmより眼球中心部に向かい0.4mmの深さまで穿刺し、気体および液体を注入した。 硝子体内気体注入により、明らかな後部硝子体剥離所見は認められなかったが、注入4日目より限局性の索状や塊状の硝子体混濁および硝子体の液化が観察された。またヒアルロニダーゼ注入4日目より硝子体のびまんせいの液化が認められ、SLOにて経時的に観察し、ビデオテープに記録した。 本実験で観察された硝子体混濁は、それ自体が直接視機能に影響するとは考え難いが、気体により圧平、濃縮された硝子体は生理学的機能としての水保持能力、イオン保持能力等の低下を生ずる事も予想される。今後も機能的な評価も含め、更に検討を要すると考える。
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