研究課題/領域番号 |
08771560
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
馬場 麻人 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90251545)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 足関節 / 物理的外力 / 骨端板軟骨 / ラット脛骨 / 不動化 / 細胞増殖 / BrdU / 細胞分化 |
研究概要 |
われわれは、機能的外力が生体の軟骨組織の成長に及ぼす効果を検討する目的で、ラットの後肢足関節に不動装置を取り付けて減負荷状態を設定し、ラットの脛骨骨端板に現れる形態的変化について観察を行ってきた。特に今年度は、足関節の不動による減負荷が脛骨骨端板の軟骨細胞の増殖、分化に与える影響をBrdUを用いて免疫組織化学的に検討した。本研究には実験開始時に5週齢の雄ラットを使用した。実験群には、可撤性の固定装置を5週間装着したグループ(EX1群)と10週間固定したグループ(EX2群)を設定し、EX1群、EX2群の対照群として10週齢(C1群)と15週齢(例C2群)の未固定グループを設定した。5週齢から5週間の足関節の不動化により、脛骨骨幹部び皮質骨が薄くなることをこれまでに報告した。骨端部においても減負荷により骨端板軟骨の厚さが減じ、それに連続する骨梁が減少することが確認された。EX1群の難端板軟骨においては、構成する軟骨細胞の肥大化が抑えられ、細胞増殖能を有すると判定されるBrdU陽性細胞が、細胞増殖層から遠位肥大細胞層に渡る広い領域で散在性に観察された。これはEX1群では広範囲の細胞が増殖能を有しているにもかかわず、骨端板軟骨の厚さが減少していることを示しており、軟骨細胞が正常分化しないために細胞の肥大化の低下と、基質合成能が低下したことによるものと推察される。C2群のラットでは骨の伸長がほぼ終わりに近く、脛骨骨端板軟骨の細胞の増殖が不活発になっていたが、このような成長段階においても10週間の不動化によって骨端板軟骨に近位1/2の細胞に分裂能が維持されることがわかった。 以上より、成長期ラット脛骨の骨端板において、機能的外力は軟骨細胞の正常な分化と、それに続く骨形成の進行に密接に関連していることが示唆された。
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