研究概要 |
TCRα鎖KOマウスを滅菌水と固形飼料を与えて,SPF条件で飼育すると,生後18週前後から約8割の頻度で大腸炎を発症し,MLN,LPや脾臓にはCD4^+TCRβ^<dim>T細胞が出現した.この細胞の増加にともなってTCRα鎖KOマウスのCD4陽性T細胞はSEBを添加するとDNA合成能が著しく上昇した.またCD4^+TCRβ^<dim>T細胞はIL-4を産生することがサイトカインELISPOTで明らかになった.T細胞レセプターではVβ8,Vβ14,Vβ15を主体としたレパトアの出現がみられた.さらにIBD発症マウスでは主にLPにおいてIgA-,IgG-抗体産生細胞数と食餌性タンパク質抗原に対するSFCの増加が観察された。以上の所見より,CD4^+TCRβ^<dim>T細胞がTCRα鎖KOマウスにおいて大腸炎の発症,さらに食餌抗原に対する抗体や自己抗体の出現に深く関わっていることが明らかになった.また同細胞がSEBによって活性化されることから,IBDの憎悪にスーパー抗原が関与していることが強く示唆された.
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