研究課題/領域番号 |
08771603
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
青木 和広 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (40272603)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 低Ca食 / 骨吸収 / 骨形態計測 / 骨髄培養 / リモデリング活性 / pQCT |
研究概要 |
実験的骨減少症のモデルである低Ca食飼育ラット(生後5週令)における短期間の骨の変化を、まず末梢骨用定量的CT(pQCT)を用い検索した。低Ca食飼育12時間後における脛骨近心端海綿骨部の骨量は、正常Ca食(0.5%)群と低Ca食(0.05%)群との間に有意な差は認められなかったが、低Ca食飼育1日目から3日目まで低Ca食群において有意な減少を示した。一方、脛骨骨幹皮質骨部においては3日間の実験期間中、骨量に変化は認められなかった。次に、骨形成計測法を用いて、海綿骨部における破骨細胞と骨芽細胞の動態を検索した。その結果、破骨細胞数(N.Oc/BS)、破骨細胞面(Oc.S/BS)および破骨細胞の核数(N.Nc/Oc)は実験期間中増加傾向を示し、特に1日目において有意な増加を示した。骨芽細胞数(N.Ob/BS)は1日目から、骨芽細胞面(Ob.S/BS)は2日目から有意な増加を示し、3日目ではさらに増加した。さらに、骨髄中の骨吸収系細胞と骨形勢系細胞の変化を大腿骨の骨髄細胞培養により検索した。その結果、出現するTRAP陽性多核細胞数の増加が低Ca食飼育1日目のラット骨髄細胞に有意に認められた。また、骨芽細胞系細胞がつくる石灰化の面積は1日目のラット骨髄細胞では変化を示さなかったが2日目の骨髄細胞で有意な増加を示した。 低Ca食飼育後に認められた破骨細胞の核数の増加は、既存の細胞の骨吸収活性の上昇を反映しているものと思われる。一方、培養骨髄細胞を用いた実験の結果から骨髄中では破骨細胞、さらに骨芽細胞の前駆細胞が増加していると考えられる。したがって、骨髄-骨組織において、骨系細胞の増殖、分化の活性が高まっている可能性が示唆された。本実験から、低Ca食飼育により迅速な骨吸収が引き起こされ、その作用はリモデング活性の上昇による骨代謝回転が増加することにより発現するものと考えられた。
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