研究概要 |
mi/mi変異マウスにおいて破骨細胞分化異常がみられることから,Mi(microphthalmia)転写因子が破骨細胞分化に関わることが考えられている.Mi転写因子の破骨細胞分化における役割を明らかにするため,まず,初代培養骨芽細胞と初代培養骨髄細胞におけるMiの遺伝子発現を検討した.その結果,培養骨髄細胞には,3倍の発現レベルが観察された.この培養骨芽細胞におけるMiの遺伝子発現は骨芽細胞のconditioned mediumおよびM-CSFによってレベルの上昇がみられたが,ビタミンDによる調節はみられなかったため,成熟破骨細胞に発現していると考えるより,むしろ破骨細胞のプロジェニタ-に発現していると考えられた.培養骨髄細胞において,どのようなpopulatioにMiが発現しているか調べるため,in situ hybrizationおよびMiのc末端15個の合成ペプチドに対する抗体を作製して,immuno cytochemistryを行なった.発現が認められたpopulationが破骨細胞のプロジェニタ-が否か今後検討が必要である. また,mi/mi変異マウスにおいて,Miのbasic領域にアルギニン欠損がみられることから,標的遺伝子に結合できない可能性が示唆されている.このため,trucateのMiタンパクと結合するタンパクを培養骨髄細胞のcDNAライブラリーから2-ハイブリッゴスクリーニング法で検索を試みる.現在培養骨髄細胞のcDNAライブラリーを作製中である.
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