研究課題/領域番号 |
08771606
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
増田 裕次 大阪大学, 歯学部, 助手 (20190366)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 咀嚼運動 / 大脳皮質咀嚼野 / 大脳基底核 / WGA-HRP / ウサギ |
研究概要 |
1.大脳皮質咀嚼野(咀嚼野)と呼ばれている領域に連続電気刺激を与えると顎と舌のリズミカルな協調運動を引きおこすことができる。自然咀嚼時の咀嚼野から錘体路への出力細胞の活動を記録し、その特性を調べ、咀嚼リズムに一致した放電を示すものは少ないことが報告されている。一方、大脳皮質から錘体外路系の出力として大脳基底核への投射がある。そこで、本研究では大脳皮質咀嚼野と基底核の関係を解剖学的および生理学的に明らかにすることを目的とした。 2.まず、連続電気刺激によりリズミカルな顎運動を誘発するウサギ咀嚼野にWGA-HRPを注入し、大脳基底核内のどの部位に咀嚼野からの投射があるかを検索した。その結果、標識された神経終末は、被殻の内側および腹側部に認められ、吻尾的には前交連より尾側の被殻に認められた。 3.麻酔下の動物を用いて、解剖学的に同定された基底核部位の電気刺激に対して、逆行性に反応する咀嚼野細胞の活動を記録した。連続電気刺激によりリズミカルな顎運動を誘発する咀嚼野に記録電極を同定し、被殻とその周辺を電気刺激した。その結果、被殻の腹側部を電気刺激することにより大脳皮質咀嚼野から、逆行性の誘発電位が記録された。 4.以上の結果から、咀嚼野細胞の一部は被殻の腹側部に投射しており、この部位は咀嚼野と共に咀嚼運動の調節に関与していることが示唆された。 5.今後、これら2領域が咀嚼の調節にどのように関与しているか、またどのように協調しているかを、自然咀嚼中のニューロン活動を記録することにより調べていくことは、今研究を発展させていくために必要であると考えられる。
|