本研究では歯科用ディジタル撮影装置の放射光歯科領域診断利用の為の基礎的研究として、当研究室にある単色・白色X線発生装置を利用してその特性を調査した。本ネネルギ特性を調査する前に、照射線量を定量化するためのシャッタ装置の製作を行い0.1secから0.1sec刻みで任意の照射を行えるようになった。単色白色X線発生装置とこのシャッタ装置を用いてX線(蛍光X線)を発生させ16keV(ZrのKa線)から69KeV(AuのKα線)の範囲のディスクリートな9エネルギについて暗電流の影響エネルギ特性下の測定を行った。なお、今回測定した歯科用ディジタル撮影装置はRegam Medical Systems社製のSens-A-Rayを用いた。 1、暗電流の影響 CCDセンサの暗電流の影響測定においては、センサ部分半分を鉛にてマスクし照射する方法で測定を行った。この測定結果では、CCDセンサの暗電流は、単純に照射時間のみに影響を受け、入射X線によって生成された電荷及びCCD内での電荷移動時における熱雑音の影響を受けず、一定であった。 エネルギ特性 約50keVを越えるエネルギになると、同じグレーレベルを得るには大きな照射線量が必要なる傾向があることが判明した。これは、通常のX線発生装置では、管電圧100kVから150kV程度に相当し、このような高い管電圧撮影では、被曝線量の低下は望めない事が示唆された。 3.放射光医学利用 放射光医学利用としては、現在ヨウ素造影剤を利用した撮影が考えられており、単色エネルギとして、35keVから40keVが考えられている。このようなエネルギ範囲であれば歯科用CCDセンサを用いた場合十分な被曝線量低減化が期待できることが判明した。
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