研究課題/領域番号 |
08771731
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
塩野目 学 昭和大学, 歯学部, 助手 (50245809)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ヒト歯肉線維芽細胞 / IL-1α / ICAM-1 / HLA-DR / ヒトリンパ球系腫瘍細胞 / IL-2産生能 / シグナル伝達機構 |
研究概要 |
今回我々は、T細胞活性化に及ぼす歯肉線維芽細胞-T細胞間のシグナル伝達機構の解明を目的として、ヒト歯肉線維芽細胞(HGF)とヒトリンパ球系腫瘍細胞(K562)を用いて実験を行い、以下の結果を得た。1.HGFにおける細胞画分IL-1α、ICAM-1およびHLA-DR抗原の発現の確認:HGFをIFN-γで前刺激し、さらにIL-1βで刺激後、細胞画分IL-1α、ICAM-1、HLA-DR発現を検討した。HGFの細胞画分IL-1αとICAM-1の産生はそれぞれIL-1βで刺激開始12時間後、24時間後に最大値を示し、これらの産生誘導はrhIFN-γの72時間の前刺激により更に促進した。一方、HLA-DR発現細胞の発現率はIFN-γの72時間以上の前刺激により増加したが、その後のIL-1β刺激により変化しなかった。2.HGFとK562の共存培養が、K562の細胞接着能、IL-2産生能に与える影響:上記のごとく刺激、あるいは非刺激のHGFを固定後、洗浄した。この様に調整したHGF細胞層上に^<51>CrラベルしたK562をまき、接着細胞の放射活性を、また、K562を調整したHGF細胞層上で培養後、培養上清中のIL-2量を測定した。K562の固定したHGFへの細胞接着とIL-2産生は、HGFを上記のごとく刺激することにより促進された。また、このIL-2産生の促進作用は、固定したHGFとK562の接触をフィルターで遮断することにより消失した。これらの結果から、歯肉線維芽細胞とT細胞の細胞接着は歯肉線維芽細胞上のICAM-1発現の増加により促進されること、また、歯肉線維芽細胞とT細胞の細胞接着によりT細胞が活性化される可能性が示唆された。これにはHLA-DR-TCR、HLA-DR-CD4、ICAM-1-LFA-1、細胞画分IL-1α-IL-1レセプターという4つのpathwayの関与が考えられ、現在、この4つのpathwayが単独あるいは相互的にどの様にT細胞の活性化に関与しているかをモノクローナル抗体を用いて検討している。
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