研究課題/領域番号 |
08771769
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
宮原 隆雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50251533)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ヒト / H反射 / 噛みしめ / 促通 / ヒラメ筋 / 歯根膜機械受容器 / オーバーレイデンチャー / 表面電極 |
研究概要 |
これまで研究代表者らは、ヒトにおいてヒラメ筋H反射の振幅を指標として口腔機能と全身の運動機能との相関に関して検索を行ってきた。その結果噛みしめに伴って、ヒラメ筋H反射は著しい促通を受けること、その促通量と噛みしめ強度との間には有意な正の相関が存在すること、この促通には上位脳から運動指令と口腔領域に生ずる感覚情報の両者が関与することが明らかとなった。しかしながら、噛みしめに伴う感覚情報のなかでどのような成分が脊髄の運動ニューロンの興奮性の上昇に関与するのかは未だ明らかにされていない。そこで研究代表者らはオーバーレイデンチャーを使用するものを被験者に選び、噛みしめ時の歯根膜からの感覚情報を遮断したり、復活させることによって、運動ニューロンの興奮性の上昇に対する歯根膜機械受容性容器の関与の有無を検索した。本研究には年齢46〜67歳の成人男性6人を被験者とし、各々の残根歯数は上下顎1〜4本であった。被験者をリクライニングシートに座らせ、膝関節及び足関節をそれぞれ100°、120°に固定した。H反射は右側膝窩にて脛骨神経を電気刺激することにより誘発し、記録は右側ヒラメ筋上の表面電極から双極導出した。被験者に行わせる噛みしめは随意性最大噛みしめの50〜60%とした。また義歯内面を調整することにより、1)義歯と歯根の接触を残した状態で噛みしめを行ってもらうセッションと2)義歯と歯根の接触をなくした状態で噛みしめを行ってもらうセッションとに分け、1セッションにH反射を30回程誘発し、3糞感の休息を設けて10〜20セッションを行った。その結果、義歯と歯根の接触を残した状態ではヒラメ筋H反射は噛みしめに伴い有意に促通を受けた(p<0.05,U-test)。義歯と歯根の接触を残した状態に対し、義歯と歯根の接触をなくした状態を比較すると有意差は認められなかった。今回、歯根膜機械受容器からの情報は脊髄の運動ニューロンの興奮性の上昇に関与しないという結果だが、被験者の残根歯数が少ないために義歯と歯根の接触の有無による差が検出されなかったとも考える。
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