本研究では以下に示す項目について検討した。 1、弾性裏装材の硬化後の応力緩和挙動、動的粘弾性およびその経時的変化 2、ダイナミック印象材(ティッシュコンディショナ-)の硬化後の応力緩和挙動、クリープ、動的粘弾性およびその経時的変化 3、軟質裏装材の粘弾性と総義歯患者の咀嚼機能との関係 4、ダイナミック印象応用型裏装材の試作 ダイナミック印象応用型裏装材の試作にさきだち、本研究では現存するダイナミック印象材(ティッシュコンデンショナ-)および弾性裏装材の粘弾性的性質について検討した。ダイナミック印象材(ティッシュコンディショナ-)のクリープについてはDental Materialsに発表し、市販製品の物性ならびに浸漬液による影響について基礎的検討を行った。動的粘弾性については日本補綴学会誌に発表し、軟質義歯裏装材の動的粘弾性の測定方法および評価方法を確立した。現存するティッシュコンディショナ-および弾性裏装材の動的粘弾性の測定を終え、まとめ中である。3については、軟質義歯裏装材の粘弾性により、総義歯患者の咀嚼機能の回復に影響を及ぼす傾向が認められた。現在、4については、1、2、3の結果より機能的効果をあげることのできる粘弾性的性質を決定したので、このような粘弾性的性質を得ることのできる粉末の種類および液の組成を検討している。
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