研究課題/領域番号 |
08771832
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
野本 理恵 鶴見大学, 歯学部, 助手 (20180789)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 光重合レジン / 重合 / 波長 / 反応率 / 重合率 |
研究概要 |
干渉フィルターおよび減光フィルターを用いて、市販の光照射器(New Light VL-II,GC)の光から410〜550nmの範囲で狭い範囲(半値幅10μm)の一定強度(300μmol/s・m^2)の光を取り出した。各波長の光で試作光重合コンポジットレジンを照射時間を変えて重合し、その硬化体の赤外線吸収スペクトル(IRスペクトル)を測定することによって、重合に及ぼす波長の影響を評価した。試作光重合コンポジットレジンはマトリクスとしてBisGMA : TEGDMA=60:40(mol)を用いて、重合開始剤としてカンファーキノン(CQ)、促進剤としてジメチルアミノエチルメタクリレートを1mol%ずつ添加し、無機質フィラーを50wt%配合して作製した。重合したフィルム状レジン試験片のIRスペクトルを残留モノマー抽出前後で測定し、反応率および重合率を求めた。410〜550nmの各波長の光はレジンを重合することができた。照射量がわずかなときは、反応率、重合率ともに波長の影響が認められ、反応率あるいは重合率の波長との関係はCQの吸光スペクトルに類似していた。CQの光吸収範囲(410〜490nm)では、照射量がふえるにしたがい、重合に及ぼす波長の影響が小さくなった。重合が開始されるにはCQが光を吸収し、励起する必要があるので、照射量の少ない場合は重合開始段階と考えられ、吸光度の高い波長ほど重合性がよく、波長の影響が強くみられた。照射した総光量子数をエネルギー量に換算し、そのエネルギー量と重合性との関係から450〜490nmでは波長よりむしろ総照射エネルギー量に影響されることが示唆された。したがって、重合に効果的な波長範囲は450〜490nmであることが明らかにされた。
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