研究課題/領域番号 |
08771931
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三留 雅人 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50261318)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 小児歯科学 / 唾液 / ノルアドレナリン / アドレナリン / 歯科ストレス |
研究概要 |
本研究の目的は小児歯科診療において、患児に負荷されたストレスの程度を客観的に評価する方法として、唾液中のカテコールアミンの測定法を確立し、ストレス下において、それらの変動を調べることである。まず研究者が今まで行ってきたアルミナ吸着法を用いた高速液体クロマトグラフィー法を再検討し、さらに高精度の唾液中のカテコールアミンの測定系を確立した。<実験1>成人ボランティア8人を対象に、血中のカテコールアミンと唾液中のカテコールアミンの相関を調べるために、ノルアドレナリンおよびアドレナリン50μgを上腕に皮下注射し、血中と唾液中のカテコールアミン濃度を経時的に調べた。両物質とも、皮下注射数分後、血中の濃度がピークに達したが、唾液中には変化が認められなかった。この結果は、血中のカテコールアミンは唾液のそれと相関が認められないことを示した。<実験2>本学附属病院を受診した健常小児8人(3才から7才)について、歯科治療中時の唾液中のカテコールアミンの変化を調べた。すなわち、待合い室、歯科治療台にあがった直後、局所麻酔時、歯質切断時、充填時、終了後の唾液を採取し唾液中のカテコールアミンの変動を調べた。浸麻には3%シタネストーオクタプレシンを使用した。 測定の結果、唾液中のノルアドレナリンは、待合い室時にくらべて、歯科治療台に横になったとき、および局所麻酔時に有意な上昇を示し、その後下降した。一方、唾液中のアドレナリンは、有意な変化がみられなかった。唾液中のノルアドレナリンの変動は、従来、歯科治療中の心拍変化などにより報告されてきた変動のピークと一致した。また実験1より、この分泌は、唾液腺内の交感神経からの局所的な分泌動態を反映していると考えられた。これらの結果はSalivary catecholamine assay for assesing anxiety in pediatric dental patients.としてThe Journal of Clinical Pediatric Dentistry 21,Spring 1997.で発表予定である。
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