研究課題/領域番号 |
08771978
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
広瀬 弥奈 北海道医療大学, 歯学部・小児歯科学講座, 助手 (10265077)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | フッ素 / エナメル質 / 乳歯 / 幼若永久歯 / 下顎乳中切歯 / 加齢変化 |
研究概要 |
従来より、乳歯、幼若永久歯の歯質の性状を明らかにするために、0.5M-HClO_4(過塩素酸)を脱灰液としたマイクロサンプリング法によりエナメル質表層フッ素濃度の測定を行っている。本実験のin vitroにおける下顎乳中切歯の表層から深さ3μmのフッ素濃度(ppm;平均値±標準誤差)の測定結果は、5才児男児唇側面:546±170、同舌側面569±141、5才児女児唇側面:353±71、同舌側面:358±67、そして6才児男児唇側面:1481±213、同舌側面:1671±173、6才児女児唇側面:1079±145、同舌側面:1297±142の値を示した。実験結果からはエナメル質表層フッ素濃度の唇舌的な部位の差や性差に統計的な有意差を認めなかったが、年齢による比較では6才児の方が5才児よりも有為にフッ素濃度が高かった(p<0.001)。すなわち、口腔内の萌出期間の短い乳歯においても加齢に伴うフッ素量の経時的変化(表層エナメル質のフッ素の蓄積)が認められた。以上の結果は1997年7月に行われる44th European Organization for Caries Researchで発表する予定である。なお、Ca/P、脱灰深さについては現在検討中である。 一方、in vivoにおける幼若永久歯については半萌出下顎中切歯(平均年齢6.6才)を対象にフッ素濃度を測定した結果、571±84ppmを示した。同歯種のin vitro(抜去下顎中切歯)における測定結果:1301±263ppmと比べると本実験結果は有意に低い値を示した(p<0.05)。これらの結果から幼若永久歯は萌出後、唾液、プラーク、薬剤など口腔内環境の影響をうけてフッ素濃度が上昇していくものと思われる。 小児を対象としたエナメルbiopsy法による研究は、極わずかではあるけれども歯質を脱灰するため母親の協力が得られず、サンプル数が制約されてしまったため、次年度も研究を継続して目的を達成したいと考えている。
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