研究課題/領域番号 |
08772009
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松永 公浩 東北大学, 薬学部, 助手 (90222306)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 海洋微生物 / 南米産生薬 / 血管収縮抑制 / 血小板凝集阻害 / 糖グリセロール / シリンドレン / グラミノン / インペラネン |
研究概要 |
優れた血管拡張薬を見出すためには、その作用機序の詳細な解明が重要である。また最近、血栓形成の初期における血小板凝集の重要性が特に注目されている。このような観点から、筆者は、特に血管縮小抑制活性および血小板凝集阻害活性に着目し、植物および海洋微生物の成分の探索を行なったところ、興味深い種々の新しい活性物質を得ることに成功した。大量培養に成功した約100種類の海洋微生物のメタノール抽出エキスについて成分検索を行った。そのうち、藍藻Oscillatoria roseaおよび緑藻Oltmannisiellopsis unicellularisの抽出エキスから、3種の血小板凝集阻害活性糖グリセロールを得ることに成功した。次に、生薬ボウコンを熱メタノールおよび熱水抽出し、得られた抽出エキスの酢酸エチル可溶部を血管および血小板に対する作用を指標にして検索したところ新規血管収縮阻害物質シリンドレンおよびグラミノンBとその類縁体グラミノンA、新規血小板凝集阻害物質インペラネンを得ることに成功した。シリンドレンはノルエピネフリンによる血管収縮を強く抑制するが、KCIによる収縮にはなんら影響を与えなかった。一方、グラミノンBは逆にノルエピネフリンによる収縮には全く影響を与えず、KCIによる収縮を顕著に阻害した。またグラミノンBの類縁体であるグラミノンAには血管収縮に対する作用は全く認められないという結果が得られた。インペラネンはトロンビンによる血小板凝集を顕著に阻害することが明らかとなった。また、種々の南米産生薬の抽出エキスにおいて、血管、心臓および血小板に対する作用を検討したところ、数種の生薬に活性が認められた。このうち、タペクエの抽出エキスから、血小板凝集阻害物質として4種のメランポライド型テルペンを単離することに成功した。これらの化合物は、U46619による凝集を選択的に阻害することが明らかとなった。現在、他の南米産生薬の活性物質の単離を行なっている。
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