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生体内情報伝達物質一酸化窒素(NO)の有機化学

研究課題

研究課題/領域番号 08772035
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 化学系薬学
研究機関昭和大学

研究代表者

永田 和弘  昭和大学, 薬学部, 講師 (20208010)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード一酸化窒素 / ニトロソ化 / ラジカル反応 / アミド
研究概要

一酸化窒素(NO)が多様な生理作用を発現することが近年明らかとなり、医学、生物学の分野ではNOの生理作用に関する研究が盛んに行なわれている。しかし、NOの化学的性質に関する研究報告例は少なく、特に有機化合物に対するNOの反応に関する報告例は極めて少ない。筆者はNOの生体内反応を意識し、NOの有機分子に対する酸化活性、および、ラジカル反応性を検討してきた。既に、1,4-ジヒドロ型ピリジン類に対してNOは酸化作用を有することを報告しているが、今回アミド類との反応を検討した。種々の二級アミド類に対して、4当量のNOを20時間反応させたところ好収率(<95%)でN-ニトロソアミド類が得られた。NOの化学量論を調べた結果、NOがラジカル的にアミドの窒素原子上から水素ラジカルを引き抜く機構により反応が進行していることが示唆された。溶媒効果を検討した結果、溶媒分子の電子供与能の高さとNOの不活性化の度合に相関が見られ、ジクロロエタン、ベンゼン中では高収率で反応が進行するのに対して、メタノール、THF、DMF中では全く反応が進行しなかった。また、NOを試薬とするアミドのN-ニトロソ化反応は立体障害の影響を強く受けることが分かった。例えば、グリシン誘導体とフェニルアラニン誘導体の混合物にNOを反応させたところ、グリシン誘導体のみがニトロソ化を受けた。このことは、ペプチド類、更にはタンパク中の特定のアミノ酸とNOが反応することを示唆しており興味ある知見と考えられる。以上、今回NOとアミド類の反応を精査し、NOは溶媒分子の影響を多大に受けること、および、基質特異的に反応することが明らかとなった。このことは、NOは存在環境により反応性がコントロールされること、また、生体有機分子とも基質特異的に反応する可能性があることを示唆する結果である。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Itoh: "Reductive Deamination of Aromatic Amines with Nitric Oxide (NO)." Tetrahedron Lett.37. 4165-4168 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] T.Itoh: "The Aromatization of Hantzsch Dihydropyridines with Nitric Oxide (NO)." Tetrahedron Lett.36. 2269-2272 (1995)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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