研究課題/領域番号 |
08772057
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水谷 隆太 東京大学, 薬学部, 助手 (70272482)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 結晶構造解析 / 抗体 / Fab / 親和性 / ニトロフェノール / 免疫応答 |
研究概要 |
抗体は、外来抗原の侵襲をくり返しうけることにより、抗原に対してより強い親和力を獲得する。この抗体の親和力増大(affinity maturation)の機構を三次元構造に基づいて明らかにするため、抗体FabのX線結晶構造解析を行った。用いた抗体は、(4-hydroxy-3-nitrophenyl)acetyl(NP)に結合する二次免疫応答の抗体3B44である。 ポリエチレングリコールを沈殿剤として3B44Fabの結晶を調製し、ハプテンNPをソ-キングした後、X線回折強度データを収集した。分子置換法により初期モデルを得、結晶学的に精密化して、3B44 Fab-NP複合体の2.5Å分解能での構造を決定した。これを、既に明らかにしている一次免疫応答の抗NP抗体N1G9のFab構造と比較した。 3B44 FabはN1G9と同等のドメイン配置を示し、H鎖CDR3以外のCDRループの構造でも、ほぼ対応する空間配置を有している。3B44とN1G9の構造の違いは、抗原結合部位ポケットを構成する10残基のうち、33Hと97Hに見いだされた。97Hを含むH鎖CDR3は、主鎖の構造が異なっている。このため、3B44のPhe 97H側鎖は、N1G9のTyr 97Hとは異なる配置をとり、NPとの疎水的な相互作用を行っている。一方、33Hの変異では、側鎖の構造のみに違いが観察され、N1G9で見られたTrp 33HとNPの間の密すぎる接触は、3B44ではLeuへの置換により緩和されていた。一次応答抗体のTrp33Hから二次応答でのLeuへの変異は、ハプテン結合により適した抗原結合部位の構造を形成し、親和性を高めていると考えられる。
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