研究課題/領域番号 |
08772090
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉本 幸彦 京都大学, 薬学部, 助手 (80243038)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | プロスタノイド受容体 / 黄体退縮 / 陣痛遅延 / オキシトシン受容体 / 組織特異的発現 / アポトーシス / 妊娠子宮 / プロスタグランジンF2_α |
研究概要 |
プロスタグランジン(PG)F_<2α>は、子宮内膜で産生分泌され、PGF受容体を介して黄体に作用し、黄体退縮を引き起こす。PGF_<2α>はこの作用から、性周期における黄体退縮因子と見なされているが、その受容体を介した作用機序は不明な点が多い。一方、妊娠子宮においては陣痛の発生と共にPGF_<2α>産生が認められることから、陣痛誘因物質としての役割を持つ可能性も示唆されていた。しかし、特異的なアンタゴニストがないことや、これら生殖機能を再現する培養細胞系が存在しないことから、生理条件下でのPGF受容体の生理機能を直接解析することや本受容体発現の制御機構の解析が不可能であった。このような生殖生理機能に密接したPGF受容体の生理的意義とその発現調節機構を明らかにするために 1)PGF受容体欠損マウスの作製と解析……マウスPGF受容体遺伝子の情報をもとに、ES細胞を用いた部位特異的変異法によりPGF受容体遺伝子欠損マウスを作製したところ、性周期、受精、着床いずれにおいても異常は見られなかったが、妊娠成立後、分娩が起こらないことが判明した。現在、その原因については解析中であるが、本研究の成果は、妊娠母体においての陣痛誘発にPGF受容体が不可欠な役割を果たすことを示すものである。 2)トランスジェニック・マウスを用いたPGF受容体発現プロモーター部位の解析……上記のマウスPGF受容体遺伝子の5′-上流7kbのプロモーター領域にマーカー遺伝子をつないだトランスジーンを有するトランスジェニックマウスを作製し、そのマーカー発現を解析したところ、腎や胃、心肺において発現が見られたが、卵巣黄体には発現が認められなかった。このことは、腎や胃における発現調節と卵巣における発現調節が異なることを示唆するものであり、現在更にその調節機構について解析を進めている。
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