• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

インターロイキン1レセプター発現調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08772101
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 生物系薬学
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

瀧井 猛将  名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (80244573)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードインターロイキン1 / インターロイキン1レセプター / チロシンキナーゼ / 線維芽細胞 / 肝細胞
研究概要

本研究の目的はインターロイキン1レセプター(IL-1R)の発現調節機構を明らかにすることである。そこで、本研究ではIL-1Rの発現変化をin vitro、及び、in vivoの両面から検討した。
In vitroの実験では、ヒト線維芽細胞株TIG-1にチロシンキナーゼの阻害剤であるゲニステインで処理すると、^<125>IラベルしたIL-1の結合をゲニステインは用量依存的、また、経時的にも抑制した。スキャッチャードプロット解析の結果、ゲニステインはIL-1Rの親和性を変えることなく、細胞表面上のレセプター分子を減少させていた。また、ゲニステイン前処理により、細胞表面上のIL-1R分子を減少させておくと、IL-1誘導インターロイキン6(1L-6)の産生が抑制された。これらのことから、恒常的なIL-1Rの発現にはチロシンキナーゼが関与していることが、本研究で初めて明らかとなった。しかし、ゲニステインはIL-1R mRNAの発現を抑制しなっかったことから、ゲニステインは転写後の調節に働いていることが示唆された。更に、蛋白合成阻害剤であるサイクロヘキシミド存在下でもゲニステインの作用が認められたことから、ゲニステインは翻訳過程以後に作用していることが示唆された。
In vivoの実験では、グラム陰性菌のエンドトキシンであるリポ多糖(LPS)投与マウスの肝臓でIL-1R mRNAの発現が上昇していることが、in situハイブリダイゼイション、及び、rverse-transcriptase chain reaction (RT-PCR)法により明らかとなった。LPSにより誘導されるサイトカイン類(IL-1,IL-6,TNF(腫瘍壊死因子))を投与して調べた結果、IL-1,IL-6,TNFいずれもIL-1R mRNAの発現が誘導されたことから、in vivoにおいてはこれらサイトカインのネットワークによりIL-1R mRNAの発現が調節されており、IL-1の反応性が上昇していることが示唆された。肝臓はLPSにより誘導されるサイトカインにより急性期蛋白を作ることが知られているが、IL-1Rの発現の上昇もこの作用に関与しているのかもしれない。
更に詳しく単離した初代培養肝細胞を用いて検討した。LPSで誘導されるサイトカイン類(IL-1,IL-6)、及び、LPS投与マウスの血清でもIL-1R mRNAが誘導されたが、TNFでは誘導されなかった。しかし、in vivoではTNFはIL-1やIL-6を誘導することから、TNF投与による肝臓でのIL-1R mRNAの発現増強はこれらのサイトカインによるものかもしれない。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S. Ohya: "Molecular cloning of a novel gene involved in serotonin receptor-mediated signal transduction in rat stomach" FEBS Lett.(in press). S. Itoh (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Interleukin 1 (IL-1) production is not essential for acquired resistance of human A375 melanoma cell to anti-proliferative effect of IL-1: "Int. J. Cancer" 65. 1996. T. Miyamoto (805-811)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Idetification of a novel growth-promoting factor with a wide target cell spectrum from various tumor cells as catalase: "J. Biochem." 120. 1996. D. Yang (725-730)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Molecular cloning of human antizyme cDNA: "Biochem. Mol. Bio. Int." 38. 1996. (975-964)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] S. Ito, T. Takii, T. Soji and K. Onozaki: "Endotoxin-induced up-regulation of type I interleukin-1 receptor mRNA expression in hepatocytes of mice : role of cytokines" J. Interferon and Cytokine Res.17. 55-61 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] D. Yang, H. Hayashi, T. Takii and K. Onozaki: "Interleukin-1-induced growth inhibition of human melanoma cells : role of antizyme in ornithine de-carboxylase activity downregulation" J. Bio. Chem.272. 3376-3383 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi