研究課題/領域番号 |
08772110
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山下 純 帝京大学, 薬学部, 助手 (80230415)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | アシルCoA / フォトアフィニティープローブ / UDPグルクロン酸転移酵素 / CoA / 脂肪酸アナログ / 阻害 |
研究概要 |
1、アシルCoAの標的(結合)蛋白質の検出、精製 アシルCoAと結合する蛋白質を検索するために、アシルCoAの脂肪酸部分に光感受性基を導入したフォントアフィニティープローブを合成した。検出を容易にするため、125Iで標識した。蛋白質とフォトアフィニティプローブをインキュベートした後、UVを照射し、SDS電気泳動後にオートラジオグラフィーで検出すると、ラット肝臓ミクロソームに数種類のアシルCoA結合性蛋白質を検出できた。これらのなかでひとつを精製した。精製蛋白質のアミノ酸配列を検討すると、薬物や脂溶性内因性物質をグルクロン酸抱合するUDPグルクロン酸転移酵素であることが明らかとなった。本研究により、UDPグルクロン酸転移酵素がアシルCoA結合性蛋白質であること示された。 2、UDPグルクロン酸転移酵素のアシルCoA結合活性の解析 UDPグルクロン酸転移酵素のアシルCoA結合活性のKinetics、アシルCoAの構造活性相関などを詳細に実験した。アシルCoA結合のKd値はおよそ10μMであり、Bmax価はおよそ1mol/mol proteinであった。アシルCoA結合は、アシルCoAに特異的で、CoA部分の3'ーリン酸を除いたアシルデホスホCoAには結合活性は無かった。この蛋白質がCoA部分を厳密に認識していることが考えられた。しかし、脂肪酸部分の特異性は比較的ゆるく、脂肪酸アナログであるアジドサリチルアミドドデカン酸をもつアシルCoAにも結合活性があった。 3、UDPグルクロン酸転移酵素のアシルCoA結合の生理的な意義 UDPグルクロン酸転移酵素活性がアシルCoA結合により阻害されることをみいだした。今までにUDPグルクロン酸転移酵素活性を活性化あるいは阻害する化合物などは知られていなかったが、アシルCoAは初めて見いだされた阻害物質である。細胞内のアシルCoAの変動により、UDPグルクロン酸転移酵素活性が調節される可能性が考えられた。
|