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動脈硬化巣を認識するモノクロナル抗体を用いた動脈硬化形成機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08772111
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 生物系薬学
研究機関帝京大学

研究代表者

森 雅博  帝京大学, 薬学部, 助手 (00230079)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード動脈硬化 / モノクロナル抗体 / phosphatidylcholine
研究概要

これまでの解析で動脈硬化病巣表層部を認識するASH1a/256C抗体の抗原物質は、不飽和脂肪酸を含有するホスファチジルコリン(PC)であることを明らかにした。本年度は、(1)動脈硬化巣に存在する抗原PCの分子種、(2)病巣中でPCと他の中性脂質が複合体を形成する可能性について研究した。
(1)LC-MSを用いて構造決定した動脈硬化巣中の抗原PCは、1-stearoyl-2-linoleoyl PCなど数種のPCで、量の差はあれ普遍的に細胞膜を形成しているPCそのものであった。本抗体は内膜肥厚部の細胞間マトリックスを染色し、内皮細胞、平滑筋細胞などの細胞膜は染色しないことから考えてepitopeの異なるPCの存在が考えられた。動脈硬化巣内膜肥厚部には多量の中性脂質が蓄積しているので、そこで本抗体と全く反応しないtriglyceride(TG),cholesterol ester(CE)が、抗原PCの抗原活性に与える影響について解析した。(2)動脈硬化病巣ホモジェネートをショ糖密度勾配遠心法を用いて分画し、各画分に含まれる抗原活性について検討したところ、抗原活性は、最上部の最も比重の軽い画分(Lipids inclusion)と、細胞膜画分に回収された。各画分中のPCの分布を調べたところ抗原活性のピークに一致した。
さらに、cholesterolの分布を調べたところ、cholesterolはLipids inclusionの画分に最も多く、次いで細胞膜画分に多く回収され、やはり抗原活性の局在パターンと一致した。同様にして正常血管壁ホモジェネートを分画すると、細胞膜画分には多量のPCが認められたにも関わらず、いずれの画分にも抗原活性は認められず、cholesterolの蓄積も認められなかった。これらの結果及び、in vitroの実験で病巣からの分離精製したTG,CEを抗原PCと共存させると、PCの抗原活性が増大することを確認しているので、TG,CEはPCの抗原活性を増強していると考えられ、動脈硬化巣中の抗原物質は、PCそのものではなく、TG,CEの蓄積によって形成される"PC-中性脂質複合体"が真の抗原物質であると考えられた。この"PC-中性脂質複合体"は、病巣中で泡沫化したマクロファージの崩壊によってできる脂質粒のモデルとも考えられるので、次年度は、培養マクロファージに変性LDLを取り込ませ、抗原複合体を分離して、本抗体を用いて泡沫細胞の形成機構について検討したい。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masahiro MORI et al: "Characterization of Vitronectins in Atherosclerotic Lesions" Journal of Atherosclerosis and Thronbosis. 3. 25-31 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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