研究課題/領域番号 |
08772115
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
佐藤 光利 東邦大学, 薬学部, 講師 (60231346)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 受容体 / 平滑筋 / 細胞内Ca^<2+>動態 / 細胞内情報産生 / Ca^<2+>感受性 / プロテインキナーゼ / 収縮機構 / G-蛋白質 |
研究概要 |
本年度の研究により平滑筋の収縮に関与する受容体サブタイプ、細胞内Ca^<2+>濃度調節および収縮におけるCa^<2+>感受性調節機構に関して以下に示す知見が得られた。 1.受容体サブタイプおよび細胞内Ca^<2+>動態に関する知見 家兎瞳孔散大筋にはエンドセリンA(ET_A)-およびET_B-受容体が存在し、細胞内Ca^<2+>濃度の上昇はこれら両受容体を介して起こるのに対し、収縮反応はET_A-受容体を介して起こることが明らかになった。すなわち、ET_B-受容体を介した細胞内Ca^<2+>濃度上昇は収縮には関与しないことが示唆された。また、ET類の投与による一過性の細胞内Ca^<2+>濃度上昇は主に筋小胞体からのCa^<2+>遊離によるのに対して、持続性の細胞内Ca^<2+>濃度上昇は主に電位依存性L-型Ca^<2+>チャネル以外の流入経路を介した細胞外からのCa^<2+>流入によることが示唆された。また、細胞内Ca^<2+>濃度の調節にはプロテインキナーゼCおよびチロシンキナーゼが関与していることを示した。さらに、ET_A-受容体はET-受容体拮抗薬のBQ-123感受性および非感受性受容体サブタイプに細分類される可能性を示唆した。 2.受容体サブタイプを介した収縮におけるCa^<2+>感受性増加機構に関する知見 モルモット回腸縦走筋におけるM_3-ムスカリン受容体がプロピルベンジリルコリンマスタード(PrBCM)によってPrBCM-感受性および抵抗性受容体に細分類されることを報告している。そして、細胞内Ca^<2+>濃度と収縮張力との関係を測定することによりPrBCM感受性受容体サブタイプを介した収縮におけるCa^<2+>感受性増加機構の存在を示した。そして、このCa^<2+>感受性増加機構には、n-型プロテインキナーゼおよび低分子量G-蛋白質(rho蛋白質)が関与していることを明らかにした。また、このPrBCM感受性受容体サブタイプを介する収縮経路はミオシン軽鎖のリン酸化に依存しない収縮調節機構を活性化して収縮に対するCa^<2+>感受性増加を起こすことを明らかにした。
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